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しあわせなねこ。

しあわせなねこ。

 ボクが君に初めて会ったのは、君がまだ小学生の時。
君がすごく優しい笑顔で初めましてって言ってくれたとき、なんだかむずがゆいような、
くすぐったいような、ふしぎなくらいあたたかくてここちよかった。

 それから毎日君はボクに会いに来てくれるようになったんだ。

 君とボクは毎日話をしたよ。
晴れの日も雨の日も雪の日も、暑い日も寒い日も。
 遠くを知らないボクに、「橋の向こう、花が咲いたよ」、「雨上がりの水たまりにカエルがいてね」とか、
公園で見た犬の話とか、いつもいつも話をしてくれた。

 君の話を聞きながら、君と一緒にお昼寝するのが大好きだった。

 時々、お昼寝してると、頭に水滴が落ちてきて目を覚ますことがあったんだ。
そういう時、君はいつも決まっておこしちゃってごめんねって言ってた。

いつもいつも優しくしてくれる君の目はいつでも哀しそうだった。

 ある日、突然何も言わずに泣きながらボクを抱きしめてくれた。
君はまるで寂しさにに溺れそうになっていたよ。
 そしてボクは突然わかったんだ、君と離れなきゃいけなくなるんだって。
その日、君が話してくれたことのあるどの街よりも遠くへ、ボクは引っ越した。

 だけど引っ越してまもなくどうしても君に会いたくて、君に会いたくて、歩いて歩いて、やっと君のところに帰ったんだ。

 君が学校から帰ってくるのが見えたのに、歩きつかれて駆け寄ることができなかった。
ドアを開けようとしている君にやっと体を寄せて「ただいま」って言ったら、君はびっくりして、引っ越しした朝みたいに何も言わず泣きながらボクを抱きしめてくれたね。
何も言わず泣きながら君はやさしく「おかえり」って抱きしめてくれた。

 たくさん歩いて帰って来たのに、やっぱりボクは引っ越し先に戻らなきゃいけなくなった。
電話の後、君が泣いているのが見えた。
君とまた別れなきゃいけないなんてボクは思いもしてなくて、ずっと一緒に居られると思ったのに。

 君はいつもボクを哀しい目をしながらとても優しく撫でてくれた。

 ボクはいつも優しい君が哀しい目をしなくていいように、優しい目になって欲しくて、いつもそばに居たかった。君が泣かないでいいように。
君の優しさを君に届けたくて、ボクは君のそばにずっと居たかった。

 ボクが死ぬ時、やっとぜんぶわかったんだ。
最後に神さまがね、教えてくれたんだ。
君が、どうして、いつもやさしくしてくれる君が、どうしていつでも哀しい目をしていたか。
君は毎日学校へ行っていたのに、学校の話は全然してくれてなかったことをその時初めて知ったんだ。
君が毎日、苦しんでいたこと。

 ボクは君と毎日お話していたのに、君は優しくしてくれるばかりで、君が哀しい目をしていることはわかっていたのに、
ただそばに居ることしかできなかったのに、ボクがいるだけでイイって言ってくれて。

 だれも信じてはくれないだろうけど、最後、君に会いに行ったよ。
一瞬でしかなかったけれど、その一瞬はこれまでのどの時間よりボクには大切だった。
君がボクを見てくれた、そこに居るわけがないボクに気が付いてくれた。
撫でてもらうことも、お話しを聞くこともできない、本当に一瞬だったけれど、君のこと大好きだよ、ずっとずっと大好きだよ、そのことだけは君に届いたから。


 最後に君のそばにいられなかったけど、僕は本当に幸せだった。

 ありがとう。
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